糖尿病と高血圧の関係を解説

糖尿病と高血圧の関係を解説。神戸市長田区の永田診療所では、糖尿病に関する検査(血糖、血圧、血清コレステロールなど)を行っております。


糖尿病と高血圧

無症状なのに、高血圧はなぜ怖い?

血糖値が高いのが糖尿病ですが、血糖値が高くても症状がないのが普通です。しかし、そのまま放置しておくと、手足の神経や網膜、腎臓などいろいろなところに合併症が出てきます。高血圧もこれと同じで、血圧が高くなっても何も症状がありません。それで健康診断などで「血圧が高いですよ、治療を受けてください」などといわれても、そのまま放置しがちになります。

さて、高血圧ではどのような症状があるのでしょうか。血圧が非常に高い状態になると、頭痛や頭がクラクラするといった症状が起こりますが、通常は脳や心臓に障害が起こってはじめて症状があらわれます。それが、脳に起こる脳卒中(脳梗塞や脳出血)、心臓に起こる狭心症や心筋梗塞の症状です。脳の障害では半身不随、半身麻痺などで歩くことも不自由になり、動くことができなくなってしまいます。また、心臓に栄養を運ぶ血管が詰まると、激しい胸痛や急性心不全などの苦しい症状があらわれます。たとえ高血圧であってもそれらが起こるまでは無症状で、しかし、症状が起きてからではもう手遅れになってしまいます。放置しておいてはいけないのです。

糖尿病と高血圧などを合併した「2型糖尿病」

では、糖尿病の方が高血圧になったときは、糖尿病の治療をしていれば血圧も下がるのかというと、高血圧まではよくなりません。血圧を下げるにはそのための治療が必要です。成人してから肥満を伴って起こる2型糖尿病では、半数以上が高血圧を起こしています。さらに、高脂血症のある方も少なくありません。つまり、肥満、高血圧、高脂血症、糖尿病を合併しやすい人が2型糖尿病に多いことが次第にはっきりしてきたのです。このような方では、糖尿病だけをコントロールしても心筋梗塞や脳梗塞などを防ぐことができず、それぞれに対する治療が必要になってきます。

合併症を防ぐには、血糖以外のコントロールも大切

糖尿病の合併症のなかでも怖いのは、脳梗塞や脳出血、心筋梗塞、下肢動脈の閉塞などですが、これらを予防するためには、血糖のコントロールのほかに血圧、血清コレステロール、体重をコントロールしておくことです。それぞれに食事療法と運動療法、禁煙の実践を基本として、糖尿病手帳の血圧、血清コレステロール、体重をよく見て、目標値を医師に相談するようにしましょう。